About “VINTAGE LIBRARY – ALOHA SHIRTS”

TEXT: サンサーフ企画総括・アロハシャツ研究家 中野喜啓 (YOSHIHIRO NAKANO)

 

ハワイの発展に呼応してアロハシャツが最盛期を迎えた1950年代、そのプリント生地はアメリカ本土もしくは日本に発注されていた。当時、輸出・輸入業を手掛けていた港商商会(東洋エンタープライズの前身)は、今ではヴィンテージと呼ばれる年代のレーヨン製アロハシャツを、実際に生産し米軍ベース向けに「キモノ・ガウン」や「ハッピー・コート」などの名称で納入。また、自社ブランドとしても「ファッションマート」のラベルでアロハシャツを作り、ハワイへと輸出していた。そのような背景があり、1965年に東洋エンタープライズを設立して間もない1970年代にアロハシャツブランド「サンサーフ」が誕生。以降、40年以上にわたってヴィンテージをベースとしたアロハシャツを手掛けてきた。

 

本サイトでは、サンサーフ(東洋エンタープライズ)が創業から資料として収集し続けた数千着にも及ぶヴィンテージアロハシャツ、ならびにそれらのヴィンテージにまつわる当時のハワイの資料などを定期的に公開していき、その魅力を集約して紹介する。

 

(写真上)港商時代の生地見本。1950年代終盤のもので、当時は「ファッションマート」というブランド名でアロハシャツを作りハワイに輸出していた。五重の塔がデザインされたこの多色使いの壁縮緬生地は、京都で捺染されたもの。

 

Simultaneously with the development of Hawaii during the 1950s, Aloha Shirts, commonly known as Hawaiian shirts met their peak in popularity. The printed fabric was outsourced to mainland U.S.A. and Japan. Kousho & Co. predecessor of Toyo Enterprise was at the time, heavily engaged in the import/export industry, and was one of the original manufacturers of rayon Hawaiian shirts, which are now considered vintage collectables. Terms such as ‘Kimono Gown’ or ‘Happy Coat’ for US army base. were used to identify these shirts. They had even established their own brand ‘Fashion Mart’ to produce Hawaiian shirts and exported them to Hawaii. Due to this background, soon after Kosho & Co. changed their name to Toyo Enterprise in 1965, a brand dedicated to Aloha shirts, ‘Sun Surf’ was founded in the 70’s.