Sugar Cane Made in Japan Denim Factory Vol.003 – “Weaving”

TEXT: シュガーケーン 企画総括 福富雄一 (YUICHI FUKUTOMI)

シュガーケーン メイドインジャパン デニムファクトリー Vol.003 「織り」

 

ヴィンテージに使われているデニムは現在生産されている一般的なデニムと比べ、厚くて目が詰まっており、表面に凹凸があってザラついている。この表面の凹凸が芯白のデニム糸と相まって、ムラ感ある微妙な色落ちを生み出すのである。このデニムを織り上げるのは旧式の力織機。シュガーケーンのデニムは、写真のような豊田自動織機社製の旧式の力織機で織られている。生地幅も、現在の一般的な織機に比べて狭い、29インチ幅。非常に古い機械であるため、壊れると替えがきかず、稼働中も調整が必要であり作業効率がとても悪いため、現在ではほとんど残っていない。

 

この織機は、タテ糸(藍糸)を強く張らずにヨコ糸(白糸)を打ち込んでおり、その打ち込みには、堅くて重い樫の木でできた「シャトル」と呼ばれる道具が使われる。1日に生産できる生地は限られており、現代の織機の約6分の1という抵効率で、ゆっくりと時間をかけて織っていく。そのため、ヨコ糸を打ち込む力が強くなり、ヨコ糸同士が重なり合うようになった結果、表面に凹凸ができ、目が詰まって織り上がる。こうして完成したデニム生地は密度が高く厚みがあり、穿き込むほどにアタリが出て味わいを増すデニムへと仕上がる。シュガーケーンでは、旧式の機械を最良の状態に整備しつつ、このようなヴィンテージベースのデニムを今日も作り続けている。