TAILOR TOYO / Lot No. TT14755 / VELVETEEN × ACETATE QUILT SOUVENIR JACKET TOYO ENTERPRISE 55th SPECIAL EDITION “RYOGOKU” × “天下泰平”
The year 2020 marks the 55-year anniversary of the establishment of Toyo Enterprise Co., Ltd. This special Sukajan is released to commemorate the anniversary in the limited number. The theme of this jacket is “Sumo” (wrestling) which is the national sport of Japan. Sumo became a spectacle for the public in the Edo period mainly around Ryogoku district where the Kokugikan (the official Sumo stadium where professional Sumo tournaments take place regularly) is located. Toyo Enterprise also has started business in Ryogoku, Tokyo and thrived there as well as Sumo has done.
On the black velvet side of the jacket, there is a main motif of the Ryogoku Kokugikan stadium, garnished with traditional Japanese images such as blue dragon, Mt. Fuji and pine trees. The art is elaborately depicted by embroidery with special-made shinny rayon threads to look as if it is an authentic vintage jacket designed and crafted by Kosho & Co. (a predecessor company of Toyo) back in 1950s.
1965年に創業し、今年で55周年を迎える東洋エンタープライズは、戦後間もなく設立した前身の会社「港商商会」から数えると実に70年以上、スーベニアジャケット(スカジャン)を作り続けてきた。創業から現在まで、東京・両国を拠点に物作りを続けてきた東洋エンタープライズ。その節目を記念して作られた数量限定のリミテッドエディションは、日本古来の神事であり伝統競技、東京・両国を象徴する「相撲」をテーマにしている。
別珍(べっちん)生地とキルティングを施したアセテート生地のリバーシブル仕様で、別珍面のモチーフとなっているのは大相撲の聖地、国技館。緑青瓦葺(ろくしょうかわらぶき)の大屋根や黄金色の頭飾りなど、その堂々とした佇まいを横振り刺繍で表現した。正面には高くそびえる太鼓櫓(やぐら)が描かれ、「東洋関江」「祝五十五周年」「港商商会」などと書かれたカラフルな幟(のぼり)がはためく。これら独自の絵柄に対して「RYOGOKU」や「JAPAN」の特徴的な書体、上空を守護する青龍や遠方に望む富士山、松の木などはヴィンテージスカジャンの絵柄を取り入れ、2020年の作品であるが1950年代のヴィンテージを踏襲したデザインならびにディテールとなっている。
なかでも特筆すべきは刺繍に対するこだわり。レーヨン糸の光沢感がより強く出るように通常とは異なる染色を施し、針足が一定方向ではない横振り刺繍ならではの立体感を強調して、濃色の別珍生地に対して刺繍の柄が浮き出てくるかのように仕上げた。
On the reverse side, of which material is quilted acetate, there is an enlarged “Gunbai-Uchiwa”, a referee’s fan to point a winner of a match, with Japanese characters “Tenka-Taihei” on it, meaning Universal Peace, which is regarded as a lucky charm to drive away evil and disasters in Japan. Behind the fan, a sumo ring on the mud stage is depicted by vintage embroidery with rayon threads.
アセテートキルト面のメインモチーフとしたのは、相撲の行司が使用する軍配団扇(ぐんばいうちわ)。「天下泰平」と書かれているように日本では厄災を振り払う縁起物でもあり、世界で猛威を振るう禍いの収束を願って絵柄に取り入れた。
また、奥には相撲の土俵を吊屋根とともに描いている。屋根の四隅に下げられた房(ふさ)も五穀豊穰を願い、四方を守護する四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)を表した縁起物で、その特徴的な神明造り(しんめいづくり)の屋根を刺繍で表現した。デザインはヴィンテージスカジャンらしさを追求し、あえて相撲取りなどの人物を描かず、日本の伝統競技である相撲の神聖で厳かな様を絵柄に落とし込んでいる。
通常、スカジャンの配色は袖の色よりも身頃の色の方が濃いのだが、このアセテート生地の配色は通常と異なる「逆配色」。シルバーのアセテートに映えるよう、別珍面とは対照的にレーヨンの刺繍糸を鮮やかな色味へと染め上げており、「JAPAN」「FIFTY FIFTH」の赤い文字が全体のアクセントとなっている。
歌川国芳作「勧進大相撲土俵入之図」(東京都立中央図書館特別文庫室所蔵)
This ukiyo-e landscape painted by Kuniyoshi Utagawa who is widely known as one of legendary artisans of the Japanese ukiyo-e style of woodblock and painting in Edo-era, describes a ring entering ceremony just before the big Sumo tournament takes place at Eko-in temple in 1849. Eko-in Temple located in Ryogoku has been the spiritual home of sumo since many tournaments had been held from 1768 until the first Ryogoku Kokugikan Sumo Stadium was built in 1909.
相撲は日本の歴史と深く関わり、その起源を辿ると神話の時代にまでさかのぼる。日本最古の歴史書である古事記や日本書紀にも登場し、五穀豊穰や天下泰平を願う神事として発展した。鎌倉時代から戦国時代にかけては鍛錬のための武芸として、そして江戸時代に入ると興行としての相撲が行われるようになる。この浮世絵は、歌川国芳の作品「勧進大相撲土俵入之図」。1849年の11月に東京・両国にある回向院(えこういん)で開催された勧進相撲(かんじんずもう)を描いている。勧進相撲とは寺社の建築や修繕などの募金を目的とした興行で、これにより相撲の人気は急速に広まり、後に両国に国技館が建てられるに至った。
Material(別珍生地・アセテート生地)
For this jacket, the cotton velvet fabric with slightly longer and hairs and fine luster than Tailor Toyo’s regular models is used. As for the acetate fabric, the regular model of Taylor Toyo uses acetate twill, while the special edition uses glossy and sleek acetate satin.
テーラー東洋の通常モデルよりも毛足がしなやかで、細やかな光沢感のあるコットン別珍生地を使用。アセテート生地もテーラー東洋の通常モデルではアセテートツイルを使っているのに対し、スペシャルエディションではアセテートサテンを使用。どちらの生地も上質な光沢感があり、肌触りも滑らか。
Zipper(フロントジッパー) / Rib(ウールリブ)
Zipper with two pullers known as “Butterfly” zipper, designed for reversible jacket. Originally reproduced by using the vintage fastener machine. The 100% wool rib that is purposely knitted loose by the primitive knitting machine in the same manner the ribs of vintage jackets was done.
1950年代中期頃まで存在した日本製ジッパー(TTSジッパー、SPEEDジッパー、CHERRYジッパーなど)をもとに再現。ファスナーテープはコットン素材のテープを使用。リバーシブルのバタフライ式引き手スライダーやエンドボックス、刺し棒なども全て、当時と同様に手作業で製作している。
あえてテンションを緩くし、ヴィンテージ同様に旧式の横編み機で編み上げたウール100%のリブ。アナログな専用機であるため機械を使う職人の技術が仕上がりの良し悪しを左右し、コンピューター制御の機械には見られない、深みのある仕上がりが特徴。
Piping(袖のパイピング) / Label(ラベル)
The sleeves have rope piping, which is the distinctive detail that seen on the vintage products produced before the mid 50s. This jacket has two woven labels. One is of Kosho & Co. (a predecessor company of Toyo), and the other is of the 55 year anniversary of Toyo Enterprise. Sewn on the cotton houndstooth fabric following the vintage style.
袖にはレーヨン素材を三つ編みにしたロープパイピングが縫い付けられる。ヴィンテージスーベニアジャケットの中でも1950年代中期以前に作られた比較的古い年代のものに見受けられるディテール。このモデルでは国技館の緑青瓦葺き屋根に合わせ、グリーン×オフホワイトのパイピングを施した。
スペシャルエディションの織りラベルのデザインはテーラー東洋の前身である港商商会のロゴ。それに加え、東洋エンタープライズ55周年のラベルが付くダブルネーム仕様となっている。ヴィンテージに準じてポケットの袋地には千鳥格子柄のコットン生地を使用。
TAILOR TOYO
VELVETTEN × ACETATE QUILT SOUVENIR JACKET TOYO ENTERPRISE 55th SPECIAL EDITION “RYOGOKU” × “天下泰平”
Lot No. TT14755
Price : ¥120,000 + tax
Size : 小、中、大、特大、特々大
Color : 119) BLACK
2020年9月11日全国一斉発売 / LIMITED EDITION(数量限定生産)
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Lot No. TT14755 / VELVETTEN × ACETATE QUILT SOUVENIR JACKET TOYO ENTERPRISE 55th SPECIAL EDITION “RYOGOKU” × “天下泰平”